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NEWS ― 2026-11-04

バイナンスの資金フローがプラス転換――24時間で23億ドルの純流入、70億ドル超の流出からの反転

バイナンスの資金フローがプラス転換――24時間で23億ドルの純流入、70億ドル超の流出からの反転

バイナンスの資金フローが2026年11月3日にプラスへ転じ、24時間で約23億ドルの純流入を記録しました。報道が挙げる要因は、①出金の第2段階の拡大と並行して時間単位の入金が出金を上回ったこと、②被害資産の約95%を補填したとの取引所の説明、③前日の70億ドル超の純流出からの反動です。ただし7日間の純流出はなお約118億ドル規模で、ETFの流出も続いているため、1日のプラス転換だけで回復が確定したとは言えません。

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何が起きたか――24時間で23億ドルの純流入、取引所トップに

バイナンスの資金フローが、2026年11月3日(火曜日)にプラスへ転じました。Cointelegraphの報道によると、バイナンスは過去24時間で約23億ドルの純流入を記録し、DefiLlamaが追跡する中央集権型取引所の中で最大の純流入となりました。同じ期間の他取引所は、ビットフィネックスが約2億8,000万ドル、ビットゲットが約1億2,700万ドルで、バイナンスの流入規模が突出しています。バイナンス自身も同日、Xへの投稿で「日本時間11月3日正午(03:00 UTC)までに、時間単位の入金が出金を上回るようになった。ユーザー活動の改善と資金フローの安定化を反映している」と説明しました。つまり、出金の再開直後に起きた大規模な資金の流出が、いったん止まり、入ってくる資金の方が多くなった――それが今回のニュースの中心です。

この反転が注目されるのは、わずか1日前との落差が大きいからです。月曜日には、バイナンスの24時間の純流出は70億ドルを超えたと報じられていました。出金が再開された直後の週末から週明けにかけて、顧客は一斉に資金を引き出しました。そこから24時間で、純流出70億ドル超から純流入23億ドルへ。差し引きで90億ドルを超える振れ幅です。ただし、この数字の読み方には注意が必要です。純流入とは、入金の総額から出金の総額を引いた差額であり、入金と出金の両方が活発に動いた結果として生まれた「差し引き」です。出金が完全に止まったわけではなく、入金がそれを上回った、というのが正確な姿です。後述するように、7日間の資金フローはなお大幅なマイナスであり、1日のプラス転換だけで「資金流出は終わった」と断定することはできません。

今回のプラス転換は、出金の拡大と同時に起きました。バイナンスは、ハッキング後の安全確認を終えた資産から段階的に出金を再開しており、火曜日には出金対象がさらに広がりました。普通に考えれば、出金できる資産が増えれば出金は増えやすく、純流出が続いてもおかしくありません。それにもかかわらず入金が上回ったことは、少なくとも一部の顧客が「出金できる状態になったうえで、あえて資金を戻したか、新たに入金した」ことを示しています。もちろん、入金した顧客と出金した顧客が同じ人とは限りません。戻ってきた資金が、逃げ出した顧客のものなのか、新規の顧客のものなのか、取引所間の裁定取引に伴うものなのかは、DefiLlamaの集計だけでは分かりません。数字の向きが変わったことは確かですが、その中身まではこのデータでは見えません。

時系列でたどる――木曜日のハッキングから火曜日の反転まで

今回の反転を理解するには、10月29日(木曜日)からの流れを振り返る必要があります。バイナンスでは木曜日に約63億~64億ドル規模と報じられるハッキングが発覚し、取引所は金曜日に出金を停止して調査と安全確認に入りました。被害の規模は、過去最大級の取引所ハッキングとして報じられ、米連邦捜査局(FBI)は土曜日に北朝鮮の関与を指摘しました。北朝鮮側は火曜日にこれを否定し、金正恩氏の妹である金与正氏が「ばかげた主張」として反発したと報じられています。犯行主体の確定は捜査の進展待ちであり、現時点で最終的な結論が出たわけではありません。

出金の再開は、日曜日の06:00 UTC(日本時間15:00)から始まりました。再開直後から出金は急増し、最初の数時間で40億ドル超の出金があったと報じられ、24時間では58億ドルの純流出、さらに月曜日には70億ドルを超える純流出へと膨らみました。バイナンスの共同CEOであるリチャード・テン氏が共有した数字によると、出金再開後の46時間で顧客は約109億7,000万ドルを引き出し、入金との差し引きでは約52億8,000万ドルの純流出でした。つまり、再開直後の出金は「1日で終わる小規模な動き」ではなく、2日間にわたって続いた大きな波だったのです。本デスクの前回記事「バイナンス出金再開で58億ドルの純流出――BTC下落の背景として報じられている資金フロー」でも、この再開直後の流出を詳しく報じています。

その後、出金の第2段階が火曜日に始まりました。バイナンスは9つのネットワークで追加の資産の出金を再開し、対象を広げました。この第2段階については、本デスクの「バイナンス出金の第2段階が開始――9ネットワークで追加資産が再開、流出ペースは鈍化と報道」で報じたとおり、再開のペースそのものは鈍化しつつあるとされていました。そして同じ火曜日の03:00 UTCまでに、時間単位の入金が出金を上回る転換点が訪れました。日曜日の再開から火曜日の反転まで、わずか2日あまりの出来事です。バイナンスは日曜日の復旧報告で、被害を受けた資産の約95%をすでに補填したと説明しており、残る約5%は流動性の低いトークンで、市場や店頭取引での買い戻しに時間がかかるとしています。損失は顧客に転嫁せず、自社資金と保護基金でカバーする方針も繰り返し示されています。これらの説明が、入金を戻す判断を後押しした可能性はありますが、入金の動機そのものはデータからは確認できません。

並行して、他の資金フローも動いていました。月曜日には、バイナンスから資金が流出する一方で、OKXに約4億4,500万ドルの純流入があったと報じられ、取引所間で資金が移動した可能性が指摘されていました。火曜日にはその構図が逆転し、バイナンスが流入トップに戻りました。資金が「バイナンスから他取引所へ逃げた」のか、「一時的に避難した資金が戻った」のか、「別の資金が新たに入った」のかは、取引所間の移動を個別に追跡しなければ断定できません。ただ、取引所別のランキングが1日で大きく入れ替わったこと自体が、ハッキング直後の資金フローがいかに不安定で、短期間で方向が変わりやすいかを示しています。

報道各社の数字を突き合わせる――16億ドルから23億ドルまで、なぜ違うのか

今回のニュースで読者が混乱しやすいのは、同じ「24時間の純流入」でも、媒体によって16億ドル、18億2,000万ドル、23億ドルと数字が違うことです。これは報道の誤りではなく、集計のタイミングと測る窓の違いによるものです。DefiLlamaの数字は、直近24時間という「動く窓」で測られており、古い取引が窓から外れ、新しい取引が入るたびに数字が変わります。午前中の集計では約16億ドル、午前の後半には約18億2,000万ドル、Cointelegraphが報じた時点では約23億ドルへと、同じ日のうちに数字が膨らんでいきました。つまり、3つの数字は「違う出来事」を指しているのではなく、「同じ日の異なる時刻のスナップショット」なのです。

報道・集計24時間の純流入備考
PANews(DefiLlama引用、11月3日午前)約16億ドル前日の純流出ピーク約70億ドルからの反転を指摘。バイナンスの総資産は約1,276億9,900万ドルとも報道
TokenPost/The Defiant経由(11月3日午前~昼)約18億2,000万ドル同日の7日間の純流出は約118億3,200万ドルと併記
Cointelegraph(11月3日昼、DefiLlama引用)約23億ドル本文では23億ドル、記事の要約欄では22億ドルと表記が分かれる箇所あり。タイトルと本文の23億ドルを主軸に扱う
CoinDesk(テンCEO共有の数字)46時間の純流出は約52億8,000万ドル出金総額約109億7,000万ドル、入金総額約56億9,000万ドル。測る期間と集計方法がDefiLlamaと異なる

この表から分かるのは、2つのことです。第一に、「プラス転換した」という方向そのものは、どの媒体でも一致しています。数字の大きさは違っても、向きは同じです。第二に、数字の大きさを1本に絞って「23億ドルが正解」と断定するのは危うい、ということです。24時間という窓が動く以上、午前に見た数字と午後に見た数字が違うのは当然であり、重要なのは「プラスに転じた」という事実と、その後の数日間でプラスが続くかどうかです。また、Cointelegraphの記事内でも、タイトルと本文は23億ドル、要約欄は22億ドルと、同じ記事の中で表記が分かれています。これは丸め方の違いか、更新のタイミングの違いとみられますが、読者が数字を引用する際には「約23億ドル(報道時点)」という幅を持った書き方が安全です。

さらに、DefiLlamaの数字と、バイナンスのCEOが共有した数字は、そもそも測っているものが違います。DefiLlamaは、取引所に関連付けられたウォレットへの入出金をオンチェーンで追跡して集計します。一方、テン氏が示した数字は、取引所内部の入出金データに基づくとみられ、期間も「出金再開後の46時間」という別の窓です。46時間で出金109億7,000万ドル、純流出52億8,000万ドルという数字は、DefiLlamaの24時間の純流入23億ドルと矛盾しません。なぜなら、46時間のうち前半は大きな流出、後半は流入への転換、という流れが含まれているからです。期間を切り取る位置が違えば、合計の符号が変わるのは当然です。数字を比較するときは、金額だけでなく「どの期間を、どの方法で測ったか」をあわせて確認する必要があります。

なぜ「プラス転換」でも安心できないのか――7日間では118億ドルの流出

1日のプラス転換を過大評価してはいけない最大の理由は、7日間の数字です。TokenPostなどが引用するDefiLlamaの集計では、11月3日時点の7日間の純流出は約118億3,200万ドルでした。1日で23億ドルが戻っても、7日間のマイナスを埋めるにはほど遠く、週単位ではなお資金が大きく出た状態です。仮に、翌日も同じ規模の純流入が続けば、7日間のマイナスは少しずつ縮みます。しかし、1日だけのプラスが続けばよい、という保証はありません。出金の第2段階が進めば、まだ引き出していなかった顧客の出金が新たに増える可能性もあり、純流入が再びマイナスに転じることも十分に考えられます。逆に、プラスが数日続けば、7日間の数字も改善し、「流出は一巡した」という見方が強まります。判断の分かれ目は、まさにこれからの数日です。

もう一つの注意点は、純流入の「質」です。DefiLlamaの数字は、入金と出金の差額しか示しません。たとえば、入金が100億ドル、出金が77億ドルでも、純流入は23億ドルです。入金が30億ドル、出金が7億ドルでも、純流入は同じ23億ドルです。前者は「大きな資金の出入りが活発な状態」、後者は「出入りそのものが細った状態」を指しますが、純流入の数字だけでは区別がつきません。今回のケースでは、出金再開直後の出金総額が46時間で109億7,000万ドルと非常に大きかったことから、前者に近い、つまり「出入りが活発な中での差し引きプラス」だった可能性が高いとみられます。活発な出入りが続く間は、数字が再び大きく振れるリスクも残ります。純流入の符号だけを見て「資金が戻った」と読むのではなく、総額の規模感もあわせて見ることが大切です。

さらに、バイナンスの資金フローと、ビットコインETFの資金フローは、別の動きをしている点にも注意が必要です。ETF側では、11月2日(月曜日)に米国のビットコイン現物ETFから約3億9,900万ドルの純流出があり、ブラックロックのIBITだけで約4億530万ドルが流出したと報じられています。詳しくは本デスクの「ブラックロックのIBIT、6月以来最大の4億530万ドル流出」で報じたとおりです。取引所への入金が増えた日でも、ETFからの流出が同時に起きていることは、市場参加者の動きが一方向ではないことを示しています。取引所に資金を戻す投資家がいる一方で、ETFを解約する機関投資家もいる――両方の動きが同時に起きうるのが、現在の市場の姿です。どちらか一方のフローだけを見て市場全体のセンチメントを断定することはできません。

一般論として、取引所への純流入が増える局面では、売り圧力が強まると解釈されることもあります。なぜなら、取引所に入金された資産は、売却のために預けられた可能性があるからです。逆に、取引所からの純流出が増える局面では、長期保有のために個人のウォレットへ移されたと解釈されることもあります。今回の純流入を「信頼回復の証拠」とだけ読むのは、早計です。入金された資金が、その後売却されるのか、デリバティブの証拠金として使われるのか、単に取引所間で移動しただけなのかは、入金後の動きを見なければ分かりません。逆のケースも併記しておくと、過去には取引所への大量入金が売りにつながった例もあれば、入金が増えたにもかかわらず価格が持ち直した例もあります。フローの符号と価格の方向は、常に一致するわけではありません。

用語の噛み砕き解説――純流入・純流出とDefiLlamaの集計の読み方

ここで、今回の記事で繰り返し出てくる用語を、初めて読む人にも分かるように整理します。「純流入(ネットインフロー)」とは、ある期間に入ってきた資金の総額から、出ていった資金の総額を引いた差額がプラスである状態です。「純流出(ネットアウトフロー)」は、その差額がマイナスである状態です。たとえば、1日に100億ドルが入金され、77億ドルが出金されれば、純流入は23億ドルです。入金と出金の総額そのものではなく、「差し引き」がポイントです。そのため、純流入がプラスでも、出金の総額自体は大きいことがあります。今回のバイナンスのケースは、まさにその典型です。

「DefiLlama」とは、分散型金融(DeFi)や取引所のデータを集計して公開する分析サイトです。取引所の資金フローについては、取引所が管理するとみられるウォレットアドレスへの入出金を、ブロックチェーン上の記録から追跡して集計しています。取引所が公式に発表する内部データとは集計方法が異なり、ウォレットの特定方法や、内部移動の扱いによって数字が変わることがあります。そのため、DefiLlamaの数字は「公式の残高」ではなく、「公開されたオンチェーン記録に基づく推計」として読むのが正確です。取引所によっては、ウォレットの入れ替えや、コールドウォレットへの移動が、入金や出金として誤って計上される可能性も指摘されています。数字の向きや規模感をつかむための材料としては有用ですが、1ドルの単位まで正確なものとして扱うのは避けるべきです。

「24時間」と「7日間」の違いも重要です。24時間の数字は、直近1日の動きを示すため、方向の転換をいち早く捉えられますが、1日のブレに左右されやすく、数字が大きく振れます。7日間の数字は、1週間分の動きを合計するため、ブレがならされ、トレンドをつかみやすい反面、転換の検出は遅れます。今回のように、24時間がプラスでも7日間が大幅マイナス、という組み合わせは、「直近では向きが変わったが、週単位ではまだ流出が優勢」という、転換の初期段階でよく見られる姿です。逆に、24時間がマイナスでも7日間がプラス、という組み合わせもありえます。両方を並べて見ることで、「転換したのか」「まだ途中なのか」を判断する材料が増えます。

このデスクの観測値――スナップショットが示す11月4日未明の姿

このデスクのスナップショット(2026年11月4日01:01・日本時間取得)では、ビットコインは77,634ドルで前日比プラス0.18%、イーサリアムは2,298.3ドルでプラス1.14%、ソラナは93.62ドルでプラス0.14%、ドージコインは0.075447ドルでプラス0.56%、HYPEは87.308ドルでプラス1.94%でした。前日のスナップショット(11月3日01:01)ではビットコインは77,523ドルでしたから、1日で約111ドル、率にして約0.14%の上昇にとどまっています。つまり、バイナンスの資金フローがプラスに転じた火曜日の夜から水曜日の未明にかけて、ビットコインの価格は大きく動いてはいません。資金フローの反転と価格の急騰が同時に起きたわけではない、というのが、このデスクの観測値が示す事実です。

デリバティブ側では、Hyperliquidのビットコイン建玉は約31億5,700万ドル、24時間の出来高は約26億6,700万ドル、資金調達率(ファンディングレート)は1時間あたり0.0000125でした。イーサリアムの建玉は約23億600万ドル、HYPEの建玉は約20億2,300万ドルで、HYPEの24時間出来高は約9億1,200万ドルと、価格の上昇率が最も大きかった銘柄でもあります。恐怖・貪欲指数は26で「Fear(恐怖)」の領域でした。価格が横ばいで、建玉が高水準を維持し、センチメント指標が恐怖圏にある――この組み合わせは、市場が「資金フローの反転を好感して買い上がるほど楽観的ではないが、パニック的な売りも一服した」状態を示唆します。ただし、これはあくまで1時点の観測値の読み解きであり、価格の方向を示すものではありません。最新の価格や建玉は、ビットコイン(BTC)の銘柄ページや指標ページ、Hyperliquidのページで自動更新されています。

この観測値と報道をあわせて読むと、興味深い対比が見えてきます。取引所の資金フローは「プラス転換」という明確な変化を示したのに、デリバティブの建玉や価格は「横ばいから小幅高」にとどまっています。これは、取引所への入金が、すぐさま先物の買いポジションや現物の買いにつながったわけではないことを示唆します。入金された資金が、まだ取引に使われていないのか、売りと買いが拮抗しているのかは、このスナップショットだけでは分かりません。逆のケースとして、資金フローがプラスでも価格が下落する局面では、入金された資金が売りに使われた可能性が指摘されます。今回の横ばいは、そのどちらとも断定できない、中間の状態です。資金フロー、建玉、価格、センチメントの4つをあわせて見ることが、このデスクの基本的な見方です。

今後の確認ポイント――次に見るべき5つの材料

第一に、バイナンスの24時間の資金フローがプラスを維持できるかどうかです。11月4日、5日の数字が再びマイナスに転じれば、今回のプラスは「出金の第2段階の最中の一時的な入金増」にすぎなかった、という見方が強まります。逆に、プラスが数日続けば、7日間の純流出も縮み、「流出は一巡した」という見方が強まります。DefiLlamaの数字は日々更新されるため、翌日の数字を待つことが、最も確実な確認方法です。

第二に、出金の第2段階以降の進捗です。まだ出金が再開されていない資産やネットワークが残っている場合、その再開のタイミングで新たな出金の波が起きる可能性があります。出金対象の拡大と純流入の維持が両立するかどうかが、信頼回復の試金石です。バイナンスが「残る約5%」の補填をいつ完了させるかも、確認材料の一つです。

第三に、凍結資金と捜査の進展です。バイナンスのハッキングでは、約28億5,000万ドルが凍結または押収されたと報じられる一方で、北朝鮮側の関与をめぐる主張と否定が交錯しています。凍結資金の回収が進めば、損失補填の負担は軽くなりますが、新たな資金洗浄の手口や、追加の被害が報じられれば、再びリスク回避が強まる可能性があります。FBIや取引所の発表を、金額の確定度合いとあわせて追う必要があります。

第四に、ETFの資金フローです。11月3日以降の米国のビットコイン現物ETFとイーサ現物ETFのフローが、流出から流入へ転じるかどうかが焦点です。取引所の資金フローとETFの資金フローは、出し手も動機も異なりますが、両方が同時にプラスに転じれば、機関投資家を含む幅広い層のセンチメント改善を示す材料になります。逆に、ETFの流出が続けば、取引所のプラス転換だけでは市場全体の回復とは言えません。

第五に、価格と建玉の動きです。ビットコインが77,000ドル台を維持できるか、Hyperliquidの建玉が膨らみ続けるか、資金調達率がプラス圏を維持するか――これらの指標が、資金フローの反転と整合的に動くかどうかが、デリバティブ市場からの確認材料です。価格が77,000ドルを割り込めば、資金フローのプラス転換は「戻りの中の一時的な入金増」だった、という見方が強まります。逆に、価格が持ち直し、建玉が整理されながら上昇すれば、資金フローの反転が価格の支えになった、という見方も成り立ちます。いずれにせよ、1日の数字だけで結論を出さず、数日分の指標を並べて判断することが大切です。

最後に、今回のニュースの位置づけを整理しておきます。バイナンスの資金フローがプラスに転じたことは、ハッキング後の混乱が「最悪期を過ぎた」可能性を示す材料の一つです。しかし、7日間の流出がなお118億ドル規模であること、ETFの流出が続いていること、価格が横ばいにとどまっていることをあわせると、「回復が始まった」と断定するのは時期尚早です。資金フローの向きが変わったことは確かですが、回復の持続性はこれからの数日で試されます。読者にとって有用なのは、「プラス転換」という見出しだけではなく、その裏にある期間・集計方法・7日間の数字・ETFとの対比までを含めて読むことです。本デスクでは、引き続き資金フローとデリバティブ指標をあわせて追い、数字が更新され次第、続報でお伝えします。

よくある質問

Q. バイナンスの純流入23億ドルとは、何を指しますか?

DefiLlamaが追跡するバイナンス関連ウォレットへの、過去24時間の入金総額から出金総額を引いた差額が約23億ドルのプラスだった、という意味です。入金と出金の総額そのものではなく差し引きであり、出金が止まったわけではなく、入金がそれを上回った状態です。

Q. なぜ媒体によって16億ドル、18億ドル、23億ドルと数字が違うのですか?

DefiLlamaの24時間という窓は常に動いており、集計する時刻によって数字が変わるからです。午前は約16億ドル、昼前は約18億2,000万ドル、Cointelegraphの報道時点では約23億ドルと、同じ日の異なる時刻のスナップショットです。方向(プラス転換)は各媒体で一致しています。

Q. 1日のプラス転換で、資金流出は終わったと言えますか?

言えません。7日間の純流出は約118億3,200万ドルと報じられており、1日の23億ドルでは埋まりません。出金の第2段階が進めば新たな出金が増える可能性もあり、プラスが数日続くかどうかが判断の分かれ目です。

Q. 取引所への純流入は、価格上昇のサインですか?

必ずしもそうではありません。一般論として、取引所への入金は売却のための預け入れと解釈されることもあり、純流入が売り圧力につながると読まれる局面もあります。逆に、入金が増えても価格が持ち直す例もあります。本デスクの11月4日未明の観測値では、ビットコインは77,634ドルで前日比プラス0.18%の横ばいにとどまっており、フローの反転と価格の急騰は同時に起きていません。

Q. 今後、何を確認すればよいですか?

翌日以降の24時間フローがプラスを維持するか、出金の第2段階の進捗、凍結資金と捜査の進展、米国のビットコイン・イーサETFのフロー、そしてビットコインの価格とHyperliquidの建玉の動きです。これらを数日分並べて見ることが大切です。

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出典

本記事は上記の報道をもとに、このデスクが要約・整理したものです。価格の予測や売買の推奨は行いません。数値の前提は各出典の報道時点のものです。

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