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NEWS ― 2026-11-03

ブラックロックのIBIT、6月以来最大の4億530万ドル流出――米ビットコインETFは11月も約3億9,900万ドルの純流出でスタート

ブラックロックのIBIT、6月以来最大の4億530万ドル流出――米ビットコインETFは11月も約3億9,900万ドルの純流出でスタート

米ビットコイン現物ETFは11月2日(月曜日)に約3億9,860万ドルの純流出を記録し、ブラックロックのIBITだけで約4億530万ドルが流出しました。IBITの1日の流出額としては6月26日以来の大きさです。報道が挙げる背景は、①バイナンスの大型ハッキング後の機関投資家のリスク回避、②月が変わっても止まらない流出基調、③イーサETFの6営業日連続の流出です。ただし流出はETF純資産の1%未満で、「デジタル資産への拒否ではなくリスク調整」との見方も報じられており、価格下落の原因として断定はできません。

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月曜日に何が起きたか――IBITから4億530万ドル、米国ETF全体で約3億9,900万ドルの純流出

米国に上場するビットコイン現物ETFは、2026年11月2日(月曜日)の取引で約3億9,860万ドルの純流出を記録しました。流出の中心は世界最大の現物ビットコインETFであるブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)で、1日で約4億530万ドルが流出しました。Farside Investorsの集計を引用するCointelegraphの報道によると、IBITの1日の流出額としては2026年6月26日の約4億4,450万ドル以来の大きさです。つまり、IBITにとって約4カ月ぶりの規模の資金流出が、11月の最初の取引日に起きたことになります。

銘柄別に見ると、対照的な動きもありました。フィデリティのWise Origin Bitcoin Fund(FBTC)は同日に約670万ドルの純流入を記録し、全体の流出をわずかに相殺しています。IBITだけが突出して資金を失い、他のファンドは小幅な動きにとどまったという構図です。流出が特定のファンドに集中したのか、それとも市場全体のセンチメント悪化なのかを見分けるうえで、この銘柄別の内訳は重要な手がかりになります。少なくともこの日の数字だけを見れば、「ETF市場全体からの逃避」というより「IBITを中心とした大口の換金」が起きた、と読むのが正確です。

イーサリアム側も同じ日に弱い数字が出ています。米国のイーサ現物ETFは月曜日に約1億4,000万ドルの純流出を記録し、流出の連続記録を6営業日に伸ばしました。イーサETFは10月に過去最大の約16億1,000万ドルの月次流出を記録したばかりで、11月に入っても資金の戻りは確認されていません。ビットコインとイーサの両方でETF資金が同時に細っていることは、暗号資産市場全体に対する機関投資家の慎重姿勢が続いていることを示す材料の一つです。

時系列でたどる――10月の流出から11月の幕開けへ

今回の流出を理解するには、直近1カ月の流れを振り返る必要があります。2026年10月、米国のビットコイン現物ETFは月間で約5億1,500万ドルの純流出で終わりました。10月30日(金曜日)には1日で約6億4,300万ドルの純流出があり、これはバイナンスで約63億~64億ドル規模と報じられるハッキングが発覚した後、米国市場で投資家が本格的に反応できた最初の取引セッションでした。この金曜日の流出については、本デスクの前回記事「米ビットコインETF、10月は5億1,500万ドルの純流出で終了」でも詳しく報じています。

10月の月次流出は、それ自体が2026年6月以来のマイナス月でした。つまり、夏場以降は流入基調が続いていたETF市場が、10月に再び流出基調へ転じた、というのが大きな流れです。そのうえで11月2日の月曜日は、月が変わっても流れが止まらなかったことを示す最初のデータとなりました。1日だけの数字でトレンドの転換を断定することはできませんが、「10月の流出は月末の一時的なものだった」という楽観的な読みは、少なくともこの日の数字では裏付けられなかった、と言えます。

価格面でも、節目が意識されました。ビットコインは月曜日に一時76,400ドルを割り込み、8月以来の安値水準をつけたと報じられています。報道時点の価格は76,600ドル前後で、過去7日間では約3.7%の下落でした。ETFの流出と価格の下落が同じ日に重なったことは確かですが、どちらが原因でどちらが結果かは、このデータだけでは決められません。ETFの換金売りが価格を押し下げた可能性もあれば、価格下落を見た投資家がETFを解約した可能性もあり、両方が同時に進んだ可能性もあります。後述するように、報道もこの点については断定していません。

なぜ売られたか――報道が挙げる要因と、逆の見方

Cointelegraphの記事では、トークン化企業のBrickkenのCEOであるエドウィン・マタ氏のコメントが紹介されています。同氏は「こうした流出をデジタル資産への拒否と解釈すべきではない。投資家は不確実性が高まると、とりわけ市場のインフラの安全性に疑問を投げかける出来事の後には、エクスポージャーを減らす」と述べています。つまり、今回の流出は「ビットコインそのものへの評価が変わった」のではなく、「ハッキングという事件を受けて、ひとまずリスクを落とす動き」だという見方です。

この見方を補強する材料として、流出の規模感があります。10月のビットコインETFの月次流出約5億1,500万ドルも、11月2日の約3億9,860万ドルも、ETF全体の純資産に対しては1%未満の規模です。前回記事でも紹介したように、市場では「降参(キャピチュレーション)ではなくリスク調整」との見方も報じられています。資金が完全に逃げ出しているのではなく、ポジションを軽くしている段階だ、という解釈です。

ただし、逆のケースも併記しておく必要があります。リスク調整のつもりで始まった売りが、価格下落→追加の解約→さらなる売り、という連鎖に発展するパターンは、過去の市場で何度も見られてきました。イーサETFの流出が6営業日連続で続いていることは、少なくともイーサ側では「ひとまず様子見」が数日単位で続いていることを示しています。また、ハッキングの余波はまだ現在進行形です。バイナンスからの出金や凍結資金の扱い、規制当局の対応など、未解決の材料が残っている間は、機関投資家が積極的に買い戻す理由は乏しい、という見方も成り立ちます。流出が「一時的」か「持続的」かは、翌営業日以降のフローを見なければ判断できません。

報道の数字を突き合わせる――一致点と食い違い

今回のニュースでは、複数の媒体が同じFarside Investorsの集計を引用しており、中心的な数字は一致しています。IBITの約4億530万ドル、米国ビットコインETF全体の約3億9,860万ドル、FBTCの約670万ドルの流入、イーサETFの約1億4,000万ドルの流出、IBITの前回ピークである6月26日の約4億4,450万ドル――これらの数字は、Cointelegraphのほか、複数の二次報道でも同じ値で伝えられています。つまり、今回の「何が起きたか」については、媒体間の大きな食い違いはありません。

一方で、注意が必要な食い違いも一つあります。一部の報道では、ブラックロックが約4億530万ドル相当のビットコインをCoinbase Primeへ移した動きを「10月下旬の流出」と結びつけて伝えています。これは、ETFの償還に伴って裏付け資産を移動させる実務上の動きを指したもので、10月23日にセクター全体で約6億3,500万ドルの純流出があった日の動きと関連付けて報じられています。CointelegraphがFarsideの集計として報じる「11月2日のIBITの4億530万ドルの流出」と、10月下旬の資産移動の報道は、金額が同じ4億530万ドル前後であるため、読み手が混同しやすい構造になっています。本記事では、Farsideの日次フロー集計に基づく「11月2日の流出」という枠組みを主軸に据え、10月下旬の資産移動の話は「償還に伴う実務上の動き」として区別して扱います。同じ金額でも、指している出来事が違う可能性がある点は、読者が数字を追ううえでの注意点です。

もう一つの確認点は、価格の水準です。CointelegraphはCoinGeckoを引用して、ビットコインが月曜日に一時76,400ドルを割り込み、8月以来の安値をつけたと報じています。後述する本デスクのスナップショットでは、11月3日未明の価格は77,523ドルでした。76,400ドル割れから77,500ドル台への戻りは、安値をつけた後にいったん買い戻しが入ったことを示唆しますが、7日間の下落率が約3.7%であることと合わせると、戻りはまだ下落トレンドの中の反発にとどまる、という見方もできます。価格の解釈については、断定を避け、複数の水準を併記するのが適切です。

デスクの観測値で読む――11月3日未明のスナップショット

本デスクのスナップショット(取得時刻:2026年11月3日01:01 JST)では、ビットコインは77,523ドルで、前日比で約0.56%の下落でした。Hyperliquidにおけるビットコインの建玉は約31億9,000万ドル、24時間の出来高は約17億4,000万ドルで、デリバティブ市場全体の建玉は約107億ドルでした。資金調達率(ファンディングレート)はほぼ中立に近い水準で、レバレッジを積み増すような過熱感は観測されていません。恐怖・貪欲指数は37で「Fear(恐怖)」の領域にあり、市場心理が慎重に傾いていることを示しています。

これらの観測値をETFの流出ニュースと並べると、興味深い対比が見えてきます。ETFからの流出が続く一方で、デリバティブの建玉は31億9,000万ドル規模を維持し、資金調達率も中立圏にあります。つまり、現物ETF経由の機関投資家は資金を引き揚げているのに、パーペチュアル市場では極端なショートへの傾斜や清算の連鎖は起きていない、という構図です。もちろん、スナップショットは11月3日未明の一点のデータであり、11月2日の米国時間の動きをそのまま反映しているわけではありません。しかし、少なくとも「ETF流出=市場全体のパニック」と単純に結びつけるのは早計で、現物とデリバティブでは投資家の動きが異なっている可能性がある、という読みは成り立ちます。詳しい価格・建玉・資金調達率の推移は、ビットコイン銘柄ページと指標ページで確認できます。

イーサについても、スナップショットでは2,273ドル前後で、前日比では小幅な上昇でした。ETFで6営業日連続の流出が続いているにもかかわらず、現物価格が大きく崩れていない点は、ビットコインと同様に「ETFフローと価格は一対一で連動しない」ことを示す一例です。イーサの詳細はイーサリアム銘柄ページで確認できます。

現物ETFの仕組みを噛み砕く――「ブラックロックが売った」のではない

報道の見出しでは「ブラックロックが4億500万ドル相当のビットコインを売った」と書かれることがありますが、仕組みを正確に理解しておくことが重要です。現物ETFは、投資家がETFの口数を買うと、その裏付けとして実際にビットコインを保有します。逆に、投資家がETFを解約(償還)すると、ファンドは解約資金を返すために、保有するビットコインの一部を売却しなければなりません。つまり、売却の主体はブラックロックの投資判断ではなく、ETF投資家からの解約請求です。ブラックロックが「ビットコインに見切りをつけて売った」のではなく、投資家の換金に応じるために機械的に売却した、というのが正確な構図です。

この区別が重要なのは、流出の意味を読み違えないためです。ファンド運用会社自身の見解が変わったのではなく、ファンドに資金を預けている投資家の行動が変わった、ということです。したがって、流出が止まるかどうかは、ブラックロックの姿勢ではなく、ETF投資家が「そろそろ戻ってもよい」と判断するかどうかで決まります。逆に言えば、解約が一巡すれば、同じ仕組みで流入が再開したときには買い圧力に転じることもあります。ETFフローは「需要の温度計」として読むのが適切で、ファンドの将来見通しそのものではありません。

なお、償還に伴うビットコインの移動先としてCoinbase Primeの名前が報じられることがありますが、これは機関投資家向けのカストディ・取引サービスで、ETFの裏付け資産の保管・売却の実務を担う場所です。資産の移動そのものが「売り」を意味するわけではなく、償還処理の一環として行われるものです。この点も、見出しだけを見て「大口が逃げた」と短絡しないための基礎知識として押さえておきたいところです。

今後の確認ポイント――流出が止まるか、続くか

今後、投資家が確認すべきポイントは次の通りです。第一に、翌営業日以降のETFフローです。11月2日の流出が単発で終わるのか、イーサETFのように数日連続するのかが、トレンド判断の分かれ目になります。Farside Investorsの日次集計は米国時間の翌日に更新されるため、日本時間では翌々日の朝方に確認するのが現実的です。

第二に、ビットコインの76,400ドル水準です。8月以来の安値として意識された水準を維持できるか、割り込んで一段安になるかは、テクニカルな節目として市場で注目されます。ただし、節目を割ったからといって必ず下落が続くわけではなく、逆に節目で反発して底堅さを示すケースもあります。水準そのものよりも、その水準での出来高や建玉の変化を合わせて見ることが重要です。

第三に、ハッキング関連の進展です。バイナンスからの出金の第2段階や、凍結された資金の扱い、規制当局の追加対応など、機関投資家の不安材料が解消に向かうかどうかが、ETFへの資金回帰の前提になります。関連する動きは、本デスクのバイナンス出金第2段階の記事でも追っています。

第四に、イーサETFの流出連続記録が止まるかどうかです。ビットコインとイーサの両方で流出が続くのか、ビットコインだけが先に下げ止まるのかで、資金の選別が進んでいるのか、市場全体のリスク回避なのかを見分ける手がかりになります。いずれにせよ、1日の数字で結論を出さず、数日分のフローを積み重ねて判断する姿勢が求められます。

よくある質問

Q. BTCが下落した原因は、ETFの資金流出ですか?

報道が挙げる要因の一つが、11月2日のビットコインETFからの約3億9,860万ドルの純流出です。ただし、バイナンスのハッキング、取引所からの出金、マクロ環境など複数の材料が重なっており、ETF流出だけが原因と断定することはできません。ETFフローは資金の動きを示す指標であり、価格の動きそのものを説明しきるものではありません。

Q. ブラックロックがビットコインを売ったのは、見切りをつけたからですか?

いいえ。現物ETFでは、投資家が解約(償還)すると、ファンドは資金を返すために裏付けのビットコインを売却します。売却の主体は投資家の解約請求であり、ブラックロック自身の投資判断が変わったわけではありません。流出が止まるかどうかは、ETF投資家が買い戻すかどうかで決まります。

Q. 今回の流出は、どのくらい大きな規模なのですか?

IBITの約4億530万ドルは、2026年6月26日の約4億4,450万ドル以来の1日の流出額です。ただし、ETF全体の純資産に対する割合では1%未満の規模で、市場では「降参ではなくリスク調整」との見方も報じられています。規模の大きさと、市場全体への影響の大きさは別々に考える必要があります。

Q. イーサリアムのETFも同じように資金が流出していますか?

はい。米国のイーサ現物ETFは11月2日に約1億4,000万ドルの純流出を記録し、流出は6営業日連続となりました。イーサETFは10月に過去最大の約16億1,000万ドルの月次流出を記録したばかりで、11月に入っても資金の戻りは確認されていません。

Q. 流出が止まったかどうかは、どうやって確認できますか?

Farside Investorsの日次集計が基準となるデータです。米国時間の翌日に更新されるため、日本時間では翌々日の朝方に確認するのが現実的です。1日の数字だけで判断せず、数日分のフローが流入に転じるか、流出が続くかを見て判断するのが適切です。

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出典

本記事は上記の報道をもとに、このデスクが要約・整理したものです。価格の予測や売買の推奨は行いません。数値の前提は各出典の報道時点のものです。

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