バイナンス出金の第2段階が開始――9ネットワークで追加資産が再開、流出ペースは鈍化と報道
バイナンスの出金はどうなったのか。2026年11月3日日本時間13時から、出金の第2段階が段階的に始まった。対象はBSC・イーサリアム・ソラナ・XRPレジャー・Sui・アービトラム・オプティミズム・トロン・Baseの9ネットワークの追加資産で、11月1日の第1段階に続く拡大である。報道が挙げるポイントは、①セキュリティ確認が済んだ資産から順に再開し、過去1週間の需要を優先すること、②DeFiLlamaの数字では月曜日の純流出が25億7,000万ドルで日曜日の61億ドルから減ったこと、③集計によって累計の流出額は58億ドルから70億ドル超まで異なり、1つの数字だけでは判断できないことである。出金の再開が進んでも、残りの資産の時期やSAFUの補充計画は未公表のままである。
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公式アプリを開く(PR)結論――出金は「再開」から「拡大」へ、流出のペースは鈍化と報じられている
バイナンスの出金は、どうなったのか。結論から言えば、2026年11月3日(火曜日)日本時間13時(世界協定時04時)から、出金の第2段階が段階的に始まった。対象はバイナンス・スマート・チェーン(BSC)、イーサリアム、ソラナ、XRPレジャー、Sui、アービトラム、オプティミズム、トロン、Baseの9つのネットワークにまたがる追加の資産で、11月1日に始まった第1段階の15ネットワークに続く拡大である。バイナンスは、セキュリティと準備の確認が済んだ資産から順に再開し、過去1週間の利用者の需要を優先すると説明している。預け入れは引き続き利用できる。Cointelegraphの報道によれば、DeFiLlamaのデータでは月曜日の純流出は25億7,000万ドルで、日曜日の61億ドルから減っており、流出のペースが鈍化していると報じられている。ただし、この「鈍化」は、流出が止まったことや、利用者の信頼が完全に戻ったことを意味しない。後で詳しく見るように、集計する時間枠や媒体によって流出額の数字は大きく異なり、累計では58億ドルから70億ドル超まで幅がある。だからこの記事では、1つの数字だけを切り取らず、複数の報道の数字を並べて読み解く。
この第2段階が市場にとって重要なのは、出金の再開が「一部の資産だけの一時的な措置」なのか、それとも「通常の出金機能への復帰に向けた工程」なのかを見極める材料になるからである。第1段階では、11月1日世界協定時06時に再開が始まり、同日12時36分までに15ネットワーク分の出金が復旧したとバイナンスは説明した。再開直後は出金が殺到し、バイナンス自身の集計では最初の9時間半で出金46億4,900万ドル、入金10億1,000万ドル、差し引き36億4,000万ドルの純流出だった。これは10月28日時点の準備金データに基づく顧客資産約1,710億ドルの2.1%に相当するとされる。つまり、再開直後の流出は大きく見えても、顧客資産全体から見れば一部にとどまるというのがバイナンス側の説明である。逆に、外部のトラッカーの集計では、1日で51億4,000万ドル、1週間で140億ドル近くといった、バイナンス自身の数字より大きな流出を示す報道もある。どの数字が「正しい」かを1つに決めるのではなく、測り方の違いを理解することが、今回の局面ではとくに大切である。
時系列――10月29日のハッキングから11月3日の第2段階まで
流れを時系列で整理すると、第2段階の位置づけが分かりやすくなる。2026年10月29日(木曜日)の米国東部時間午後4時5分ごろから、バイナンスからの資金流出が始まったと報じられている。被害規模は約63億ドルとする報道と約64億ドルとする報道があり、確定額はまだ流動的である。米国市場が閉じた後の時間帯だったため、木曜日の米国上場のビットコインETFのフローには事件がほとんど反映されず、金曜日に約6億4,300万ドルの純流出が出たことは、すでにこのデスクの過去記事でも取り上げた。金曜日にはビットコインが一時約7万6,400ドルまで約4%下落し、レバレッジ取引の強制清算が13億ドル超に達したと報じられている。土曜日にはビットコインは約7万7,520ドル前後で落ち着きを見せ、バイナンスは盗まれた資産の補充率が約90%に達したとし、緊急基金SAFUから7,499BTCを移転したことを確認した。同じ土曜日に、米連邦捜査局(FBI)はこの事件を北朝鮮のハッカー集団トレーダートレイターによるものと断定したと報じられ、米シークレットサービスなども捜査に加わった。
日曜日11月1日には、出金の第1段階が始まった。バイナンスは世界協定時06時に再開を始め、15ネットワークで出金を復旧させ、補充率は約95%に上がったとしている。残る約5%は流動性の低いトークンで、市場取引と店頭取引(OTC)を通じて買い戻しを続けていると説明されている。月曜日11月2日には、SAFUの公開ビットコインウォレット残高が約7,500BTCへ半減したことが確認され、10月31日に取得した準備金スナップショットに対する暗号学的な証明が公開され、少なくとも10銘柄については顧客資産が1対1で裏付けられていると発表された。同じ月曜日には、法定通貨の出金も拡大し、米ドル、アラブ首長国連邦ディルハム、ベトナムドン、フィリピンペソ、インドネシアルピアが新たに再開され、すでに利用可能だった23通貨に加わったとCointelegraphは伝えている。そして火曜日11月3日、暗号資産の出金の第2段階が始まった。つまり第2段階は、突然の発表ではなく、出金停止、補充、準備金証明の公開、法定通貨の再開という一連の工程の次の一歩として位置づけられる。
この時系列で注意したいのは、事件の「終わり」と出金の「復旧」が同じことではないという点である。バイナンスは、今回のセキュリティ事件による経済的損失はすべて同社が負担し、利用者に転嫁しないと説明していると、Cointimeのまとめは伝えている。しかし、盗難資金の洗浄は続いていると報じられており、北朝鮮が関与したとされる資金の追跡や凍結は、出金の再開とは別の時間軸で進む。Decryptの報道によれば、盗まれた約64億3,000万ドルのうち約28億5,000万ドルが凍結または押収されたとされ、Bybitの事件での約3%と比べて凍結率が高いとも伝えられている。逆に、凍結を逃れた資金がソラナからビットコインへ交換されているとのChainalysisの分析も報じられている。出金が再開したからといって、事件の捜査や資金の行方が解決したわけではない。この切り分けが、市場を冷静に読むための出発点になる。
第2段階の対象――9ネットワークと、報道される資産リストの読み方
第2段階の対象ネットワークは、Cointelegraphとロイターの報道で一致している。バイナンス・スマート・チェーン、イーサリアム、ソラナ、XRPレジャー、Sui、アービトラム、オプティミズム、トロン、Baseである。バイナンスの説明としてCointelegraphが伝えているのは、「第1段階と同様、セキュリティと準備の確認が完了した資産から段階的に再開する」という点と、「過去1週間の利用者の需要に基づいて優先順位を決める」という点である。つまり、第2段階の開始時刻になったからといって、対象ネットワーク上のすべての資産が同時に引き出せるようになるわけではない。資産ごとに確認が済んだものから順に開いていく、というのがバイナンスの説明する仕組みである。Cointimeのまとめによれば、バイナンスのセキュリティ事件復旧アップデート第6号では、対象資産としてBTC、ETH、XRP、SOL、DOGE、ADA、LINK、SHIB、USD1、FDUSDなどが挙げられている。ただし、これはあくまで同まとめが伝えるリストであり、バイナンス自身が「すべての資産が直ちに利用可能になるわけではない」と注意している点とあわせて読む必要がある。利用者の立場からすれば、自分の保有する資産とネットワークの組み合わせが、実際に再開されたかどうかを、バイナンスの最新のリストで個別に確認することが大切である。
第1段階との違いも押さえておきたい。第1段階で再開された15ネットワークには、ビットコイン、イーサリアム、BSC、XRP、Base、ドージコイン、オプティミズム、アービトラム、トロン、ソラナ、ポリゴン、アバランチCチェーン、Zcash、TON、Suiが含まれていたと報じられている。ネットワークの名前だけを見ると、第2段階の9ネットワークは第1段階と重なるものが多い。違いはネットワークそのものではなく、そのネットワーク上で「どの資産」が引き出せるか、という点にあると読むのが自然である。たとえばイーサリアム上では、第1段階ではETH、USDT、USDCなどが対象だったと報じられているが、第2段階ではそれ以外の資産が追加される、という構図である。報道だけでは資産ごとの完全な一覧は確認できないため、この記事ではネットワーク名と、Cointimeが挙げる代表的な資産名を区別して伝えている。完全な一覧が必要な場合は、バイナンスの復旧アップデートそのものを確認するのが確実である。
もう一つのポイントは、出金の再開が「段階的」である理由である。バイナンスは、セキュリティの確認が済んだものから順に開くとしており、これは、再開直後にシステムへ負荷が集中することや、未確認の資産で問題が起きることを避けるための措置と理解できる。Cointimeのまとめも、初期段階ではトラフィックの集中により遅延や処理時間の延長があり得ると伝えている。利用者にとっては、再開の発表が出た直後に急いで出金しようとすると、かえって待ち時間が長くなる可能性がある。逆に、慌てて出金する必要がない利用者にとっては、再開のペースが鈍化し、処理が安定してから動くほうが、結果としてスムーズになることもある。段階的という言葉は、遅れの言い訳ではなく、確認作業と処理能力の制約を正直に示したものと読むこともできる。ただし、確認作業がどれだけ進んでいるか、残りの資産がいつ再開されるかについて、バイナンスが具体的な期限を示していない点は、引き続き確認が必要な部分である。
報道各社の数字を突き合わせる――流出額はなぜ食い違うのか
今回の局面で最も混乱しやすいのが、流出額の数字である。同じ「バイナンスからの流出」でも、媒体や集計方法、測る時間枠によって数字が大きく異なる。読者が混乱しないよう、報道されている数字を表に整理した。
| 項目 | Cointelegraph(DeFiLlama) | バイナンス自身の発表 | その他の報道・トラッカー |
|---|---|---|---|
| 月曜日の純流出 | 25億7,000万ドル | ― | KuCoinの日次レポートが引用するDeFiLlamaでは、24時間の純流出が約70億ドルのピークから約35億ドルへ低下したとされる |
| 日曜日の純流出 | 61億ドル | 再開後9時間半で36億4,000万ドル(出金46億4,900万ドル、入金10億1,000万ドル) | ― |
| 再開後の累計の純流出 | 70億ドル超(OKXへの流入を伝える記事での言及) | 58億ドル(11月2日時点のバイナンスの説明として過去記事で紹介) | The Defiantの集計を引用する報道では、1日で約51億4,000万ドル、1週間で約140億ドル近く |
| 顧客資産に対する割合 | ― | 約1,710億ドルの2.1%(10月28日時点の準備金データに基づく) | ― |
| ハッキングの被害規模 | 約63億ドル | 約63億4,000万ドルを確保したとされる(補填の原資として) | 約64億ドル、約64億3,000万ドルとする報道もある |
この表から読み取れるのは、数字の違いが必ずしも「誰かが間違っている」ことを意味しない、ということである。第一に、時間枠の違いがある。バイナンス自身の36億4,000万ドルは、再開後の最初の9時間半だけを切り取った数字である。Cointelegraphの月曜日25億7,000万ドルは、別の1日分のDeFiLlamaの集計である。1日51億4,000万ドルや1週間140億ドル近くという数字は、さらに別の時間枠や、トラッカーが捉えるウォレットの範囲の違いを反映している可能性がある。第二に、定義の違いがある。純流出は「出金から入金を引いたもの」だが、どのウォレットをバイナンスのものとみなすか、どの資産を含めるかによって結果は変わる。第三に、更新のタイミングの違いがある。流出は刻々と変わるため、朝に測った数字と夜に測った数字は当然異なる。だからこそ、1つの数字だけを見て「資金逃避が止まった」「止まっていない」と断定するのではなく、同じ集計方法で、同じ時間枠で、数日間の推移を比べることが大切である。Cointelegraphが伝える「月曜日は日曜日より減った」という方向性と、KuCoinの日次レポートが伝える「ピークから低下した」という方向性は、数字の水準は違っても、流出のペースが鈍化しているという点では一致している。この「方向の一致」と「水準の食い違い」を分けて読むことが、今回の数字の正しい読み方である。
もう一つ、数字の読み方で注意したいのが、OKXへの流入である。Cointelegraphの11月2日の報道によれば、OKXは1日で4億4,500万ドルの純流入を記録し、バイナンスからの流出と対照的だった。これは、資金の一部がバイナンスから他の取引所へ移っている可能性を示す材料である。ただし、OKXへの流入がすべてバイナンスからの移動であるとは限らない。市場全体で資金が動いている局面では、他の取引所からの流入や、新規の入金も含まれ得る。したがって、OKXの流入を「バイナンス離れの証拠」としてそのまま使うのではなく、「資金の行き先の一つとして、他取引所への移動が観測されている」という程度に読むのが安全である。逆に、バイナンスへの入金が10億1,000万ドルあったことも忘れてはいけない。出金だけが起きていたのではなく、入金も同時に相当額あったからこそ、純流出は出金総額より小さくなっている。資金の流れは一方向ではなく、出し入れの両方が同時に起きている、というのが実態に近い。
詐欺への警告と、段階再開の意味を噛み砕く
バイナンスは、第2段階の発表とあわせて、詐欺への警告も出している。Cointelegraphによれば、バイナンスは、詐欺師が段階的な再開に乗じて、取引所になりすまし、出金の優先処理や補償の請求をうたったり、「バイナンスの保管庫(ヴォールト)」と称する場所へ資産を移すよう誘導したりする恐れがあると警告した。「手数料を払えば出金を早められる、と約束する者は詐欺師だ」とバイナンスは述べている。出金の再開を待っている利用者ほど、焦りにつけ込まれやすい。とくに、再開が資産ごとに段階的であることは、詐欺師にとって都合のよい口実になる。「あなたの資産はまだ再開されていないが、特別な手続きをすれば早められる」という誘い文句は、段階再開の仕組みを知らない利用者にはもっともらしく聞こえるかもしれない。しかし、バイナンスが公式に説明している仕組みは、セキュリティと準備の確認が済んだ資産から順に再開する、というものであり、手数料を払って順番を早める仕組みは存在しない。公式の発表以外のリンクや、ダイレクトメッセージでの案内には従わず、出金の可否はバイナンスの公式の復旧アップデートで確認することが大切である。
「段階的再開」という言葉を噛み砕いて説明すると、これは、すべての扉を一度に開けるのではなく、確認が済んだ扉から順に開けていく、というやり方である。取引所の出金は、1つのスイッチで全体をオン・オフするものではなく、ネットワークごと、資産ごとに、ウォレットの残高やセキュリティの状態を確認しながら開いていく作業である。とくに今回のように、攻撃者が取引所の承認の仕組みを迂回したと報じられている事件の後では、再開する資産ごとに、承認の仕組みが正常に機能しているかを確認する必要がある。だからこそ、再開には時間がかかる。逆に、確認を省いて一度にすべてを開ければ、利用者にとっては便利だが、残っている脆弱性があれば、再び資金が流出するリスクがある。段階的であることは、利用者にとってはもどかしいが、取引所にとっては、再発を防ぐための慎重さの表れと読むこともできる。ただし、慎重さがどこまで進んでいるか、残りの資産がいつ開くのかが示されなければ、利用者は自分の資産がいつ引き出せるのか分からないままになる。この「慎重さ」と「透明性」のバランスが、今後のバイナンスの発表で問われる点である。
「準備金証明(プルーフ・オブ・リザーブ)」という言葉も、ここで整理しておきたい。これは、取引所が顧客から預かっている資産と同等以上の資産を実際に保有していることを、暗号学的な手法で第三者が検証できる形で示す仕組みである。バイナンスは、10月31日に取得したスナップショットについて証明を完成させ、ユーザーが自分の残高を照合できるようになったと発表し、対象はビットコイン、イーサリアム、USDTを含む10銘柄で、顧客保有分が少なくとも1対1で裏付けられているとしている。ここで「1対1」の意味を正確に押さえておくと、これは「顧客が預けた分と同額の資産が、その時点で取引所の管理下にある」ことを示すもので、「取引所の経営が将来にわたって安全である」ことや、「すべてのトークンについて同じ水準の裏付けがある」ことを保証するものではない。対象が10銘柄にとどまる以上、対象外の銘柄については、今回の証明だけでは裏付けの水準を確認できない。より多くのトークンを対象とした次のスナップショットが水曜日に取得され、証明の生成にさらに40~50時間かかると報じられているのは、このデスクの過去記事でも触れたとおりである。第2段階の出金再開と、準備金証明の拡大は、別の作業だが、利用者の信頼を回復するためには両方が必要である。
このデスクの観測値――2026年11月3日01:01 JSTのスナップショットが示すもの
このデスクのスナップショット(2026年11月3日01:01・日本時間取得)では、ビットコインは77,523ドルで前日比マイナス0.56%、イーサリアムは2,273.48ドルでプラス0.34%、ソラナは93.478ドルでマイナス1.35%、ドージコインは0.075116ドルでマイナス0.73%、HYPEは85.586ドルでマイナス2.32%でした。Hyperliquidのビットコイン建玉は約31億8,500万ドル、デスク全体の建玉合計は約107億ドル、恐怖・貪欲指数は37で「Fear(恐怖)」の領域でした。ビットコインの24時間の出来高はHyperliquidで約17億3,700万ドル、イーサリアムは約6億9,700万ドル、ソラナは約2億6,200万ドルでした。資金調達率は、対象の5銘柄すべてでプラス0.00125%(1時間あたりの表示に換算すると、一般的な表示では0.01%程度の水準に相当する)となっており、ロング側がショート側にコストを支払う状態、つまり買いポジションのほうがやや優勢な状態が続いていることを示しています。ただし、資金調達率がプラスだからといって、価格が上がるとは限らない。資金調達率はあくまでポジションの偏りを示す指標であり、価格の方向を保証するものではない。
この観測値を第2段階のニュースと結びつけて読むと、次のような姿が浮かびます。第一に、価格が持ち直していないなかで、センチメント指標がなお恐怖圏にあることは、市場が悪材料に敏感な状態を続けていることを示唆します。第2段階の再開は、出金機能の復旧という前向きな材料ですが、ビットコインが前日比でマイナス、ソラナやHYPEが1%以上のマイナスであることは、市場がこのニュースだけで楽観に転じたわけではないことを示しています。第二に、建玉が約107億ドルと高水準を維持していることは、デリバティブ市場でのポジションが整理されていないことを示します。現物市場での資金流出と先物の建玉は別の資金の流れですが、建玉が高水準の局面では、価格が上下どちらにも大きく動きやすいと一般に言われます。逆に、建玉が整理されて資金調達率が落ち着けば、値動きが穏やかになることもあります。最新の価格はビットコインの銘柄ページや市場指標ページで自動更新されています。ソラナの動きはソラナの銘柄ページで、イーサリアムの動きはイーサリアムの銘柄ページで確認できます。
なお、ソラナの下落(マイナス1.35%)は、盗難資金のソラナからビットコインへの交換報道と無関係ではない可能性もありますが、この交換だけで説明することはできません。Chainalysisの分析として報じられている交換額は約4,640万ドル相当で、ソラナ市場全体から見れば限定的だからです。市場全体が軟調ななかでの動きであり、交換の報道は下落の一因として挙げられることはあっても、唯一の原因として断定することはできません。同様に、ビットコインの前日比マイナス0.56%を、第2段階の発表だけで説明することもできません。スナップショットは日本時間01:01の取得であり、第2段階の開始(日本時間13時)より前の時点の記録だからです。つまり、スナップショットは「第2段階の前の市場の姿」を示すものであり、第2段階の後の市場の反応は、次のスナップショットやライブの価格ページで確認する必要がある。この時間の切り分けを間違えると、ニュースと価格の因果を誤って読むことになる。
市場への読み方――安心材料と警戒材料の両面
第2段階の再開をどう評価するかは、立場によって見え方が分かれます。安心材料として挙げられるのは、まず、出金の再開が第1段階から第2段階へ進んだこと自体である。出金が一度だけ再開されて止まったのではなく、工程が進んでいることは、取引所のオペレーションが機能している証拠と読めます。次に、流出のペースが鈍化していると報じられていることです。Cointelegraphが伝えるDeFiLlamaの数字では、月曜日の純流出は日曜日より減っており、KuCoinの日次レポートが引用する数字でも、ピークから低下したとされている。さらに、バイナンスへの入金が再開直後に10億1,000万ドルあったことは、出金する利用者だけでなく、預け入れを続ける利用者もいたことを示しています。さらに、準備金証明の公開で、少なくとも10銘柄については顧客資産の1対1の裏付けが確認できるようになったことも、安心材料の一つである。
一方、警戒材料も少なくありません。第一に、出金の再開がまだ部分的であることです。第2段階が始まっても、すべての資産が引き出せるわけではなく、残りの資産やネットワークの再開時期は示されていない。第二に、流出の累計がなお大きいことです。バイナンス自身の数字でも58億ドル、外部の集計では70億ドル超や、別の時間枠では140億ドル近くといった数字が報じられており、流出の規模感は集計によって大きく異なるものの、いずれにしても顧客資産の一部が取引所の外へ移ったことは確かである。第三に、SAFUの補充計画が未公表であることです。SAFUの公開ビットコインウォレット残高が約7,500BTCへ半減したことは確認されているが、基金全体の残高や、取り崩した分をいつまでに補充するのかは示されていない。第四に、盗難資金の洗浄が続いていることと、規制の議論である。米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長は、今回の事件を海外拠点の取引所への米国監督強化の根拠として挙げたと報じられており、今後の規制の動きが取引所の事業環境を変える可能性がある。第五に、韓国での動きである。韓国の規制当局は、バイナンスの事件を受けて、取引所に対してコールドウォレットでの保管の強化を促したとCointelegraphは伝えている。韓国ではすでに顧客資産の80%以上をコールドウォレットで保管することが義務づけられているが、さらに強化を求める動きは、事件が各国の規制当局の対応にも波及していることを示している。
この両面を踏まえると、第2段階の再開は「バイナンスが危ない」という単純な結論にも、「もう問題は終わった」という結論にも直結しない。より正確な見方は、「出金機能の復旧は工程として進んでいるが、残りの資産の再開時期、SAFUの補充計画、盗難資金の行方、準備金証明の拡大という4つの宿題が残っている」というものである。投資判断の材料として使う場合も、出金の再開だけを見て売買を決めるのではなく、出金のペース、準備金証明の拡大、ETFフロー、建玉や資金調達率といった複数の指標をあわせて確認することが、このデスクの基本的な見方である。関連する過去記事としてバイナンス出金再開で58億ドルの純流出とバイナンスの緊急基金SAFU、ビットコイン残高が半分に、そしてEU事業体の取引所口座から約1億600万ドル流出の疑いもあわせてご覧ください。デリバティブ全体の姿はDEX比較ページで確認できます。
今後の確認ポイント――次に見るべき5つの材料
第一に、第2段階の実際の進み具合である。開始時刻に発表されたネットワークや資産のうち、実際にどれだけが当日中に引き出せるようになったのか、処理の遅延は起きていないのか、バイナンスの復旧アップデートで確認する必要がある。発表と実際の再開にずれがあれば、それは確認作業の遅れを示す材料になる。第二に、流出のペースの推移である。Cointelegraphが伝えるDeFiLlamaの数字で、火曜日以降の純流出が月曜日の25億7,000万ドルからさらに減るのか、それとも第2段階の開始で再び増えるのかが焦点である。同じ集計方法で数日間比べることが大切で、1日だけの数字で結論を出さないことが重要である。第三に、準備金証明の拡大である。水曜日に取得される次のスナップショットと、その証明の生成(40~50時間かかると報じられている)が、対象銘柄を広げたうえで、裏付けの水準に変化がないかどうかを示す。第四に、SAFUの補充計画に関するバイナンスの追加発表である。基金の市場価値が8億ドルを下回った場合のリバランス・ルールとは別に、事件による取り崩し分の補充期限や手順が示されるかどうかが注目される。第五に、盗難資金の追跡と凍結の進展、そして各国の規制当局の対応である。ソラナからビットコインへの交換がさらに進むのか、Gateのような凍結事例が増えるのか、FBIや各国の捜査機関による追加の発表があるのかどうかが、市場の警戒感を左右する。さらに、韓国のようにコールドウォレットの強化を求める動きが他の国にも広がるのかどうかも、取引所の事業環境を占う材料になる。
最後に、マクロと政治の材料も忘れてはいけない。米国の中間選挙を控え、テクノロジー株の決算とあわせて市場のボラティリティが高まりやすい週と報じられている。暗号資産固有の材料とマクロの材料が重なる週であり、第2段階のニュースの解釈もその文脈の中で行う必要がある。第2段階の再開だけを取り出して相場の方向を断定することはできない。複数の指標と発表をあわせて、時間をかけて確認していくことが大切である。利用者の立場からは、出金の可否を公式の発表で個別に確認し、出金を急ぐ場合は詐欺の誘いに乗らないこと、そして、出金の再開が進んでも、自分の資産の保管方法(取引所に預けたままにするのか、自分のウォレットへ移すのか)を、自分のリスク許容度にあわせて改めて考えることが、今回の事件から得られる実務的な教訓である。
よくある質問
Q. バイナンスの出金の第2段階とは何ですか?
2026年11月3日日本時間13時(世界協定時04時)から始まった、出金の拡大段階です。対象はBSC、イーサリアム、ソラナ、XRPレジャー、Sui、アービトラム、オプティミズム、トロン、Baseの9ネットワークの追加資産で、11月1日の第1段階(15ネットワーク)に続くものです。セキュリティと準備の確認が済んだ資産から順に再開され、過去1週間の利用者の需要が優先されると説明されています。すべての資産が同時に引き出せるわけではありません。
Q. 出金の流出は止まったのですか?
止まったわけではありません。Cointelegraphが伝えるDeFiLlamaのデータでは、月曜日の純流出は25億7,000万ドルで、日曜日の61億ドルから減っており、ペースは鈍化していると報じられています。しかし、累計の流出額は、バイナンス自身の数字では58億ドル、外部の集計では70億ドル超、別の時間枠では140億ドル近くといった報道もあり、測り方によって大きく異なります。1日の数字だけで「止まった」と断定せず、同じ集計方法で数日間の推移を見ることが大切です。
Q. 自分の資産が引き出せるかどうかは、どう確認すればよいですか?
バイナンスの公式の復旧アップデートで、自分の保有する資産とネットワークの組み合わせが再開されたかどうかを個別に確認してください。第2段階は資産ごとに段階的なため、ネットワーク名だけでは判断できません。手数料を払えば出金を早められる、と約束する案内は、バイナンス自身が詐欺だと警告しています。公式以外のリンクやダイレクトメッセージの案内には従わないでください。
Q. 第2段階が始まっても、まだ残っている問題は何ですか?
残りの資産やネットワークの再開時期、SAFUの補充計画、盗難資金の追跡と凍結の進展、準備金証明の対象拡大の4つです。SAFUの公開ビットコインウォレット残高は約7,500BTCへ半減したことが確認されていますが、基金全体の残高や補充期限は未公表です。準備金証明は現時点で10銘柄が対象で、より多くのトークンを対象とした次のスナップショットは水曜日に取得され、証明の生成に40~50時間かかると報じられています。
Q. 今後、何を確認すればよいですか?
第2段階の実際の進み具合と処理の遅延の有無、同じ集計方法での流出ペースの推移、水曜日の次の準備金スナップショットとその証明、SAFUの補充計画に関する追加発表、盗難資金の追跡と各国の規制対応です。出金の再開だけを見て相場の方向を断定するのではなく、ETFフローや建玉、資金調達率、センチメント指標をあわせて確認することが大切です。
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- Cointelegraph「Binance Starts Second Withdrawal Phase After $6.3B Hack」
- Channel NewsAsia(Reuters)「Binance to reopen withdrawals for more assets on several networks」
- Cointime「Binance Gradually Resumes Withdrawals for More Assets Across Multiple Networks」
- KuCoin「Crypto Daily Market Report | November 3, 2026」
本記事は上記の報道をもとに、このデスクが要約・整理したものです。価格の予測や売買の推奨は行いません。数値の前提は各出典の報道時点のものです。